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「震災を機に菜食へ。ペットが教えてくれた小さな命の大切さ」
―― 犬猫保護活動家&ベリーダンサーの稲葉優さんにインタビュー ――

  ベリーダンサー、犬猫保護活動家、そして名古屋ビーガングルメ祭りの動物愛護プロジェクトリーダーでもあり、実名のまま漫画の主人公にもなられた、稲葉優さんにお話を伺いました。


VM   「稲葉さん、漫画の中では豪邸にお住まいで、何でもお金で解決できてしまう超お嬢様という設定ですが、それも実話でいらっしゃいますか?」

稲葉   「いえ、そこはストーリーを面白くするために、名古屋ビーガングルメ祭りのリーダーが考えた全くのフィクションです(笑)。事実なのは名前だけですから(笑)。

VM   「そうでいらしたのですね(笑)。私も拝見しましたが、ストーリー設定がとても面白くて、それでいてメッセージも深遠で感動してしまいました。主人公の優さんはどこまでも愛が深くて優しい女性ですが、リアルな稲葉さんそのままが描かれている感じがしました。漫画家の方はよく見ていらっしゃいますね。」

稲葉   「そんな風におっしゃっていただけて恐縮です。漫画の主人公のようになれるよう頑張りたいと思います。」

VM   「ではまず、稲葉さんが菜食を始めようと思われたきっかけを教えていただけますか?」

稲葉   「もともと祖父母の家で代々犬を飼っていて、近所でも飼っている家が多かったので、小さい頃から動物は自分にとって、身近で愛すべき存在でした。 今、自宅で猫を飼っていますし、外でも野良猫を見かけるとつい話しかけてしまいますので、根っからの動物好きなのだと思います。
  そして、大きなターニングポイントは東日本大震災でした。 被災地に残されたペットや家畜の写真や映像を目にするたびに、いたたまれない気持ちでいっぱいになりました。 けれど私は名古屋に住んでいるので、間接的にしか協力できませんでした。 被災地だけに限らず、自分には何ができるだろうと考えたときに、まずはベジタリアンになるということがその一歩でした。」

VM   「震災がきっかけでベジタリアンになられたのですね。」

稲葉   「はい。震災を機に、一頭でも多くの命を助けたいという気持ちから、ベジタリアンになりたいと思ったんですけど、お肉が大好きだったので、自分にできるか不安でした。それで、まず無理なく続けるために、ミートフリーマンデーを実践しました。 ミートフリーマンデーは意外にも容易くできたので、翌週からは一日置きにしていきました。早く完璧なベジタリアンになって、もっと動物の命を守ろうと使命感に燃えていました。」

VM   「稲葉さんは本当に漫画の主人公のように、お優しい女性なんですね。お肉が好きな人は、いきなりお肉をやめてしまうのは難しいけど、週に一日なら始められる、それがまさにそれがベジーマンデーのコンセプトであります。」

VM   「そして、動物を救う選択肢の一つがベジタリアンになることだったわけですけど、犬猫保護活動には何かきっかけがあったのですか?」


稲葉「子供の頃からずっと動物を身近に感じる生活をしてきたのですけど、中学生の時から祖父母の家にいた愛犬のチビとは特に気が合って、彼女に触れることによって命の温かさや尊さを学びました。3年前、目も見えず、立ち上がることもできなくなってしまいましたが、私が呼ぶと起き上がろうとする姿を今も鮮明に覚えています。 動物は純粋で健気で一生懸命生きています。そのチビの姿が他の一生懸命生きている命へも重なって、動物を守りたいという気持ちにつながりました。」

VM   「一生懸命生きている命を守りたい、その稲葉さんの優しさが伝わってきます。」

稲葉「パネル展やチラシ配りをしたり、動物愛護センターへ取材に行ったりしていますが、自分自身が実際に保護して里親を見つけるところまではできないので、助っ人的な立場で幅広く命を救うお手伝いをしたいと考えて日々行動しています。
  100パーセントはできなくても10パーセントならできる、そういう人が10人集まれば100パーセントの力になる、動物愛護の活動をもっと親しんでもらえるような呼びかけを心がけています。」

VM   「10%の力が10人で100%になるとは、素晴らしいお考えですね!そして、保護活動の傍ら、ベリーダンスもされていますね。ダンスはいつからどのようなきっかけで始められたのですか?」

稲葉   「子供のころからダンスが好きで、高校時代はダンス部でヒップホップとジャズダンスをやっていました。 大学時代はジャズダンス・スクールに3年間通い、そこで踊りのコツを掴み、自分なりの表現や間の取り方などを僅かではありますが、確立できたように思います。
  そして、大学卒業後にベリーダンスに転向しました。まだアマチュアでどこかで踊っているわけではありませんが、かしこまった場所よりも、お祭りなどのカジュアルな場所で幅広い層の方々に見ていただいて、そこから動物保護の活動も知ってもらえるような、入り口の一つになれば嬉しいと思っています。」

VM   「ダンスが動物愛護につながれば素敵ですね。稲葉さんのベリーダンスに魅せられて、多くの人が稲葉さんの動物保護活動にも、関心を持ってくださることを期待したいと思います。 稲葉さん、ありがとうございました。」


〜〜インタビューを終えて〜〜

  稲葉優さんには、ベジーマンデーのプロモーションビデオにもご出演いただきました。 いつもご自分のことよりも他人のことを気遣っていらして、漫画の主人公そのままの愛に溢れる、そして凛とした強さをもつ女性でした。小さな命たちに捧げる稲葉さんの生き方が、多くの女性たちに影響を与えてくださることを祈っています。(2015.11.08)

  稲葉優さんも出演してくださったベジーマンデーのプロモーションビデオ
 


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