GNPよりも国民幸福度を指標にしよう!という精神性の高いブータン王国。そのブータンでは現在、なんと“肉なし月間”を実施中!釈迦生誕を祝う5月19日から1ヶ月間、お肉の販売が禁止されているのです。
中央僧庁は、数十年前から国民の食生活と心を改善しようと尽力してきました。
その成果で、儀式や祭典での肉料理は禁止され、豚小屋というものも現在ほぼ廃止されつつあります。
そして2002年、宗教的な月の間(太陰暦の1ヶ月目と4ヶ月目)と、毎月最低でも5日間のお肉の販売を禁止する法案が下院で通過しました。さらに2008年8月には、宗教施設内の式典でも肉料理が禁止されました。
週一べジー運動は、国によって「ミートフリー・マンデー」、「ミートレス・マンデー」、「ベジタリアン・サーズデー」と、各々の国の文化を反映していますが、ブータンでは「ジャンセン・マンデー」運動として導入されています。
このジャンセン(Jangsem)とは、「菩提心」のことです。
毎週月曜日には自分のことを超えて、全ての生き物について考えようという運動なのです。なんと奥の深いキャンペーン運動でしょう!
月曜日は菜食という食事の選択だけに限らず、他者や地球のことを考えて行動する日、たとえば高齢者に手を貸してあげたり、無駄な電源をオフにしたり、自動車よりも自転車を使ったり、身近でできる思いやりのある行動をする日なのです。「愛の月曜日運動」とも言えますね。
ブータンの愛の精神は、他にもいたるところに見られます。
日本のように飼い主のいない犬が、保健所に連れていかれて殺処分されるということはありません。
犬にも飼い主がいようといまいと生きる権利があり、野生動物と同じように、みな野良で生きています。
ブータンの伝統織物のシルクも、蚕を殺すことを嫌って、抜け殻を集めて作るピースシルク、またはエシカルシルクという方法で生産されています。
農業においても、化学肥料の使用を禁止し、世界初の完全有機農業化を目指しているそうです。
もしかするとブータンは今、精神的に最も進化した国なのかもしれません。
私たちもブータンにならって、“ベジーマンデー”という言葉に“利他の月曜日運動”、あるいは“愛の月曜日運動”という意味を込めて広めていきたいと思います!(2015.6.14)
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